少子化問題の本質

Written by Decipher 

少子化問題については何故少子化になってしまったかの原因についての議論であったり、どのように子供を増やすかの対策についての議論はされているが、将来像を見据えたグランドデザインについてはほとんど議論されていない。グランドデザインとは、いつまでにどこまで是正するかのゴール(目標)だ。日本史上最大規模となった人口約1億2千万人を維持したいのか、8千万人なのか、それとも5千万人なのか。国力という観点からは人口は多い方が有利ではあるが無意味に多い必要は無い。グランドデザインを明確化しなくては適切な対策が実施できない。

 一方で日本の人口の歴史的推移を見ると、たった150年程前の明治維新の頃は3,300万人、第2次世界大戦の頃で約7,200万人、2000年で約1億2,700万人だ。これは終戦からたった55年間でに如何に急激に人口が増えたかが分かる。つまり視点を変えると、少子化が問題なのではなく、現在が異常な人口のピークであり、これから人口が急激に減る局面で発生する社会的な不都合をどう乗り切るかという問題なのではないだろうか。

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